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No.8 自己破産

第3巻第8号≪通巻8号≫
2006年 春号
自己破産
 【 自己破産 】
 現在、長引く不況の中でさまざまな経済的事情から多額の債務を抱え返済に行き詰る方が増えています。今回は、このような多重債務を解決する手段の一つである「自己破産」についてお話しします。
 1 破産手続きとは?
 破産手続きは、債務者が自分の債務を支払うことができない状態(支払い不能の状態)に陥った場合に裁判所に申立を行って破産宣告を受け、その後、免責許可を受けることによって経済的再生を図るための制度です。
 2 「支払い不能」の状態とは?
 自己破産を申し立てるための要件は「支払い不能」の状態であることです。支払い不能の状態というのは、債務者が、自己の債務を継続的に支払うことができなくなっている状態ということです。ですから、その状況は、債務者の収入、生活費、家族構成、月々の返済額等で異なります。もし、裁判所が支払いを継続することが可能であると判断すれば「支払い不能」状態とはいえないことになり自己破産は認められません。
 3 自己破産手続きの流れ(高知地方裁判所の場合)
 ここでは、債務者が自分名義の不動産など、債権者に分配できるようなめぼしい財産を持っていないような場合(「同時廃止」といいます。)を説明します。
 自己破産申立書の作成(必要書類の収集)
    ↓
 破産手続開始・免責許可申立(裁判所に申立書を提出)
    ↓
 破産審尋(申立書提出から約1ヶ月後、5〜10分程度の裁判官との面接があります)
    ↓
 免責許可決定(免責審尋から約1〜2ヶ月後、免責許可決定の通知が届き、晴れて借金がゼロになります)
 4 破産決定がされると・・・
 @債務者の本籍地の市町村にある破産者名簿に登載される。
 (ただし、一般の人が見ることはできませんし、免責許可を受ければ名簿から抹消されます。また、戸籍に記載されることもなく、選挙権もなくなりません。)
 A官報に掲載される。
 (ただし、一般の新聞ではないので、普通の人はあまり見ることはありません。)
 B資格制限を受ける場合がある。
 (例 : 弁護士、司法書士、警備員、保険の外交員、遺言執行者、会社の役員)
 (会社の役員に関しては本年5月からはOK)
 C住所の移転には裁判所の許可が必要。
 免責については次号にて!!
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