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No.20 抵当権について

第1巻第20号≪通巻20号≫
2002年 秋号
抵当権について(その1)
 抵当権(その1)
 抵当権は、債務者又は物上保証人が債権の担保として提供した物を、そのまま債務者又は物上保証人の手元(占有)において使用収益させながら、債務の弁済がないときは、その物を売却することによって優先弁済を受ける約定担保物権です。
 従って、物に抵当権が存在するか否かは、第三者には判りませんので第三者が不足の損害を受けることのないように、登記・登録によって公示されるものでなければ抵当権の目的物にはなりません。
 抵当権の目的物は、登記・登録できる物(土地・建物)又は権利(地上権・永小作権)で他に立木・工場財団等各種財団があります。抵当権は特定の債権を担保するものですので債権から離れた抵当権は原則として認められません。被担保債権が弁済・放棄・混同によって消滅しますと抵当権も消滅します。これを抵当権は債権に付従するといいます。
 例えば、債務者Aの不動産に債権者甲が第1順位の抵当権を、債権者乙が第2順位の抵当権を有している場合、債務者Aが債権者甲に弁済すると、甲の債権は消滅して甲の抵当権は消滅する。そして債権者乙の第2順位の抵当権が配当優先順位1番に昇格することになります。
 抵当権設定契約
 抵当権は債権者と債務者又は第三者(抵当権設定者)との合意(法律用語は「諾成契約」といいます)によって、ある債権の担保として、ある物の上に抵当権という物権(物に対して支配する権利)の発生を目的とする諾成・無方式の物権契約によって成立します。 抵当権設定契約当事者は債権者と抵当権設定者であり、抵当権設定者は債務者に限らず第三者(物上保証人)でも差し支えありません。
 一般的な金銭消費貸借契約は債権者と債務者との債権契約であり、この債権を保全するため、債権契約とは別個に抵当権設定契約(物権契約)をして、抵当権設定登記をすることによって債権を保全します。
 抵当権の対抗要件
 抵当権は登記をすることによって第三者に対する対抗要件を備えますが、登記されていない抵当権も当事者間では有効で、抵当権設定契約書にもとづく確定判決や公正証書等の文書によって抵当権が有効に存在していること(法律用語では「債務名義」といいます)を証明して競売を申し立てることができます。
 抵当権を設定できる債権
 抵当権によって担保される債権は特に制限はありませんが抵当権を実行(競売申立)するまでには金銭債権となることが必要です。また、債権の一部(例えば100万円の貸金債権のうちの50万円だけ)、複数の債権(例 日付を異にする金銭債権等)を合わせてする抵当権設定も可能です。
 抵当権によって担保される債権の範囲
 抵当権は後順位抵当権者や一般債権者等利害関係のある第三者が多々生ずることが多いですので、抵当権によって担保される債権の範囲を限定しないと第三者の利益が不当に害される可能性があります。そこで、次のとおり範囲を調整しています。
 イ
 担保される元本・利息・その他定期金等の範囲は、当事者間では設定契約によりますが、第三者に対して優先弁済権を主張しうる範囲はすべて登記簿の記載によります。従って、請求元本債権が登記簿の元本債権より多い場合、その超過額については優先弁済権を主張できません。
 また、利息・損害金の約束をしていても登記されていなければ利息・損害金について優先弁済権を主張できません。もっとも損害金が法定利率の場合、利息について約定利率が登記されている場合は、損害金の登記がなくても第三者に対して主張することができます。
 ロ
 「利息其他ノ定期金ヲ請求スル権利」は「其満期ト為リタル最後ノ二年分」に限って抵当権を実行することができます。他に競合する債権者がいなければ利息・損害金全額について抵当権を実行することができます。最後の二年分の起算日は配当実施日を起算日とするのが実務の取り扱いです。
 ハ
 抵当権実行による執行費用は債務者の負担と定められていますので競売手続きが完了した時、執行裁判所は配当時において売却代金から抵当権者に交付されることになりますので、執行費用は抵当権によって担保されているといえます。
 次号は抵当権の効力の及ぶ目的物の範囲について述べます。
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