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No.22 不動産競売について

第1巻第22号≪通巻22号≫
2003年 春号
不動産競売について
 優先弁済権
 抵当権は原則として民事執行法によって目的物を売却してその売却代金から優先的に弁済を受ける権利です。
 民事執行法において、抵当権実行として不動産競売をするには、強制執行のように債務名義は要求されていませんが、担保権(抵当権等)の登記がされている登記簿謄本、担保権の存在を証する確定判決や公正証書等の謄本の提出が必要です。
 抵当権実行の要件
 実質的要件
 債権と抵当権が存在し、債権は履行遅滞になっていること
 形式的要件
 執行裁判所に抵当権の存在を証する確定判決、公正証書の謄本、登記簿の謄本等の提出が必要。抵当不動産の第三取得者がいる場合は、第三取得者に弁済・滌除等の方法による第三取得者の権利を保全する機会を与えるため、抵当権を実行する旨の通知をなし、1ケ月以内に第三取得者から弁済・滌除をする旨の通知がないことが必要です。
 競売手続(不動産執行)には強制競売手続と不動産競売手続とがあります。
 強制競売とは、債権者が確定判決や支払命令・公正証書等の債務名義を取得して不動産執行の申立てをする手続きです。
 不動産競売とは、抵当権等の担保権を有する者が不動産執行の申立てをする手続きです。
 不動産執行の管轄裁判所は不動産所在地の地方裁判所で、不動産所在地が支部の管轄であればその支部が管轄裁判所になります。
 不動産執行手続きの概要
 1 申立書の提出(強制競売申立書・不動産競売申立書)
 抵当権等の登記簿謄本等を添付して管轄裁判所に申立てをします。
 2 競売開始決定及び差押え
 申立てに基づき競売開始決定がなされると、管轄法務局へ差押登記の嘱託をし、開始決定正本が債務者に送付されます。
 3 配当要求の終期の公告、債権届出の催告
 裁判所が「配当要求の終期」を定めたとき配当要求の終期の公告、不動産に権利を有する他の抵当権者、公租公課庁に対して債権届出の催告→債権者は債権届出書を提出します。
 4 調査命令、評価命令
 裁判所は執行官に対して不動産の形状、占有関係その他の現況調査命令を評価人に対して評価を命じます。
 5 最低売却価額の決定、物件明細書の作成
 裁判所は評価書、現況調査報告書を基に最低売却価額を決定、物件明細書を作成
 6 入札期日の公告
 裁判所が入札実施日を決定しますと、その2週間前までに不動産の表示、最低売却価額、売却の日時、場所、買受け申出の保証の額及び提供の方法等を公告、1週間前までに物件明細書、評価書、現況調査報告書を備え一般の閲覧に供します。
 7 売却の実施
 入札は期間入札の方法が原則、買受け希望者は入札期間に最低売却価額の2割の保証金を提供して入札をします。
 そして最高価買受申出人が落札者となります。債務者は買受申出人になれません。
 8 売却許可決定
 最高価買受申出人が不正入札者でない限り、売却許可決定がなされ代金納付期限が落札者に通知されます。
 9 代金の納付
 代金納付期限までに残代金、登録免許税等を納付すると同時に、住民票を提出しますと裁判所が管轄法務局に所有権移転登記、売却により消滅した抵当権の抹消登記等の嘱託を行い、法務局から裁判所に登記済証が交付され、そして裁判所から落札者に交付されます。その登記済証書がいわゆる権利証書になります。
 落札不動産の所有権は代金納付時に取得します。
 代金を納付しない場合は入札時の保証金は没収され、次順位の買受申出人に対して売却許可決定等がなされます。
 10 債権計算書の提出
 代金が納付されると裁判所は各債権者に配当期日を通知し、債権計算書を1週間以内に提出する旨の催告をし、配当優先順位による配当表によって配当します。
 民事執行法は剰余主義を採用しており、競売手続開始決定のなされた物件の最低売却価額で、執行費用のうち共益費用と申立人に優先する債権者の債権を弁済して剰余を生ずる見込みがないときは、申立人自らの申出額で買受ける旨の申出をしなければ競売手続きが取り消されますので、無剰余競売となる可能性がある場合は競売申立て費用等が無駄になりますので注意を要します。
 <事例>
 1番抵当権500万円、2番抵当権300万円、3番抵当権200万円の債権がある場合、最低売却価額800万円のとき3番抵当権者からの競売申立ては800万円+執行費用以上で買い受ける申出がない場合に取り消されるということです。
 引渡命令
 買受人が代金を納付しますと、裁判所の嘱託で所有権移転登記まではしてくれますが、現実の占有の移転については裁判所はしてくれませんので、債務者又は不動産の占有者が任意に不動産を引渡しをしてくれないときは、代金納付日から6ケ月以内に債務者又は不動産の占有者に対し、家屋明渡し等の強制執行ができる不動産引渡命令という債務名義を取得しないと明渡し訴訟等後々ややこしい手続きが必要になります。
 執行費用(裁判所に納付する費用)
 申立費用
 担保権・債務名義1個につき3、000円
 予納金
 4個(筆)まで60万円 1個増えるごとに5万円追加
 予納切手
 当事者数5名以下1セット16、000円
 5名を越える場合5名まで毎に1セット追加
 差押えの登録免許税
 請求債権金額(1,000未満切捨)の1,000分の4(100円未満切捨)
 司法書士費用
 6万円〜10万円(謄本等の実費を除く)
 (担保権・被担保債権・請求債権・物件数等によって異なります)
 添付書類
 不動産登記簿謄本及びその写し(申立日から1カ月以内のもの)
 謄本1部 写し2部
 資格証明書(3ケ月以内のもの)
 1部
 (当事者が会社等法人の場合会社の謄本)
 住民票(3ケ月以内のもの)
 1部(原本を提出)
 (当事者が個人の場合)
 債務名義及び送達証明書
 1部
 (強制競売申立のみ)
 抵当権実行通知書及び配達証明書
 1部(原本を提出)
 (抵当権設定後に所有権が移転している場合)
 公課証明書(最新のもの)
 1部
 公図、物件案内図、建物図面
 各2部
 当事者目録
 20部
 担保権・被担保債権・請求債権目録
 10部
 物件目録
 30部
 登記権利者・義務者目録(登記嘱託用漢数字で作成)
 3部
 物件目録(登記嘱託用漢数字で作成)
 5部
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