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No.26 担保物権及び民事執行制度の改正について

第1巻第26号≪通巻26号≫
2004年 夏号
担保物権及び民事執行制度の改正について
 「担保物権及び民事執行制度の改善のための民法等の一部を改正する法律」が平成16年4月1日から施行されました。
 その主なものの続編です。
 4 賃貸借に対する抵当権の効力(民法387条、395条)
 短期賃貸借制度は占有屋等による執行妨害に濫用される例があり今回の改正で短期賃貸借制度は廃止され、抵当権に後れる賃貸借は、期間の長短を問わず、抵当権者及び買受人に対抗することができなくなった。そして、賃借人が前所有者に差し入れていた敷金は承継しないこととなりました。そこで新しく建物明渡猶予制度及び抵当権者の同意により賃貸借に対抗力を与える制度が創設されました。
 1 担保不動産収益執行制度の創設
 これは、抵当不動産(債権保全のため抵当権が設定されている土地、建物)が大規模なテナントビルのような場合、不動産執行として競売に付した場合、金額が高くて売却がなかなか思うに任せないとき、片方では継続的に相当額の賃料収益がある、その賃料に対する執行については、平成元年の最高裁判所判決によって抵当権にもとづく物上代位(土地、建物に対する抵当権の効力)による賃料差押えが可能となっていました。
 そのような背景のなかで、抵当権の実行方法の多様化等の観点から、抵当権者等の担保権者が担保不動産から生ずる収益を自己の債権の弁済にあてる方法による不動産担保権の実行の制度として不動産収益執行制度が創設されました。
 この制度の創設によって担保権者は、事案に応じて担保不動産の競売又は担保不動産収益執行の手続きのいずれか又は双方を選択して申立ができるようになりました。
 また、物上代位手続きは廃止されていませんので、これらの手続きはそれぞれ特徴を持っていますので、事案に応じて選択するとよいでしょう。
 2 抵当権消滅請求
 従前は抵当権者に不利な「滌除てきじょ」という制度がありました。
 この滌除という制度は、抵当不動産の第三取得者等(所有権・地上権・永小作権の取得者)が抵当権者に対して、その不動産の任意の一定の金額を提供することによって抵当権を消滅させることができる制度です。
 この価格に不満がある抵当権者は滌除の通知を受けてから1ケ月以内に増加競売の申立をしなければならず、かつ買受人がいない場合は第三取得者の提供金額の1割増しの価格で買い受けなければならないなどと抵当権者は過大な負担を強いられていました。
 さらに、抵当権者が抵当不動産を競売にかけようとするとき、第三取得者に抵当権実行通知をなし、第三取得者が1ケ月以内に滌除の申出をしないときに競売申立ができる規定でした。このような滌除制度が次のように改正されました。
 1 抵当権消滅請求者は抵当不動産の所有権取得者のみ
 2 抵当権実行通知義務が廃止されたので債務不履行があると抵当権者は何時でも抵当権実行ができる
 3 抵当権消滅請求ができる時期は競売の差押えの効力が生ずるまで
 4 抵当権消滅請求を受けた抵当権者は2カ月以内に通常の競売の申立をすればよい。従って増加競売や買い受けををする必要がなくなった
 5 その他、抵当権者の競売申立の取下げの効果や、取下げに対する他の債権者の承諾要件が廃止されました。
 次号は一括競売、賃借権に対する抵当権の効力、根抵当権の元本確定です。
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